SCENE RESEARCH STATION  
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thinking-and-doctrine

*2006.07.18

book::グレッグイーガン - 順列都市

雑誌か何かで「順列都市すげーよ!必読」と読んではや数年.ついに私も読んでみました.
次の事に興味のある人は面白く読めるはずです.
「意識とは何か」「脳と計算機の本質的な違いは?」「セルオートマトン」「システムレベル,論理レベルのシミュレーション」

若干ネタバレになりますが,イーガンの描く世界では常に「計算によって意識が生まれる」ということが前提となっているようです.確かに単純に考えると,人間の脳も電気信号と化学反応によるデジタル回路に違いありません.単純な計算の集まりで人間の意識や精神も生まれているのかもしれません.が,どうもそこには納得できないんだよなあ.なぜ己は自と他を区別できるのか.なぜただの生化学現象から意識の有無が生じるのか.そういった根本的な追求をしてないのは不満だけど,それ以外は満点.

前半も面白いけど,特に後半のトンデモ理論が出てくるあたりからブッとんでます.これは思いつかないわと思わず笑ってしまうこと請け合いです.

book::グレッグイーガン - 宇宙消失

前半はつまらなかったけど,後半はイカス.
量子論をベースにしたトンデモ理論を引っ提げて話をめちゃくちゃにしてくれます.
僕としては量子論も面白いけど,忠誠モッドが面白かった.主人公は途中から組織に忠誠を誓うモッドが組み込まれるんだけど,じゃあ組織ってなんだ?と考えると一番忠誠を誓っている(モッドが組み込まれている)俺らこそが真に組織の事を考えている組織の中核にあるべき人間であり,俺らこそが組織であるべきであり,今の上層部ではダメだ!俺らが組織の上に立ち改革してやる!みたいな考えになっちゃう.
うはは,おまえら昔の日本の陸軍か共産党か,って感じですね.結局人間って自己の利益しか追求できない代物なので,慎ましやかにそれを認識した上でそれだけを考えていた方が健全なのかもしれません.

book::グレッグイーガン - ディアスポラ

順列都市の純粋培養パワーアップ版.
ただ,スケールが桁違いでして,ひも理論とか分かってないとつらいッス.
順列都市でも化学の知識が要求される場面があって,計算機畑の人間にはよく分からんね!と思うところもあったのですが,今回は素粒子や量子力学あたりの知識もないと分からんね.あと多次元の空間をイメージする能力も要るね!俺には無理だったけど.いろいろあるんですが,とりあえず「トンデモ理論を構築して奇想天外な可能性について言及する」という基本スタンスは上と同じです.

順列都市,ディアスポラに共通する謎としては,どうやってそんな天文学的な計算量を確保するの?って点.結局,脳をシミュレーションするなら,脳をそのまま使うのが一番効率が良くないですか?確かにクロックというか反応が遅いけど,ここまで再構成可能な柔軟なシステムって他にないしな.これをシリコンで実現したら大変でしょう?
世界のシミュレーションだって大変です.真面目に地球をシミュレーションするくらいなら,地球をもう1個作った方が安いし早いでしょう(可能ならですが).ただの電磁界シミュレータでも重いのに,(まだ見ぬ)統一理論(のようなもの)で全てをシミュレーションするなんてあまりにも非現実的.いや,別にディアスポラでも精神だけのシミュレーションで,物理現象は厳密にシミュレーションしてないからいいか.結局全ては「NANDとFFの塊に魂は宿るか」って問題なんだよな.普通に考えたら宿らねえよ!って感じですけどね.

2ヶ月も更新してないとは,非更新期間最高記録達成です.やったー.
とりあえず最近は某カメラで働いています.しんどいっすよ.

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